郵便局で見かけた女性。50歳代半ばでしょうか。
ウール・サージの仕立ての良い黒のスーツ(タイトスカート)に
黒の飾りの無いパンプスをきりりと履いて、
作業台で何かの書類に記入をしている最中でした。
入り口からまず見えたのは、その人の後姿だけでしたけれど、
首にひと巻きしたオペラピンク色のカシミヤのマフラー(これも無地)の片端が
すっとまっすぐ背中に落ちて、立派なアクセントになっていました。
用事も無いのに、その人の正面にわざと回り込んで、
前からも観察しました。
派手なものを身に着けているわけではないのに、
肌も髪(白髪を非常に明るい栗色に染めておられました。)も服も靴も
何もかも、手入れを行き届かせているのがわかります。
老眼鏡とそれに付けたコード以外には、キラキラするものがありませんでした。
「5センチ・ヒールのパンプスを最後に履いたのは、
いったいいつのことだったろうか」と自問してしまいました。
盗みたいおしゃれがテンコ盛りになっているマダムなのでしたが、
まず、黒にオペラピンクのアクセント、というのだけは、
私でもすんなり挑戦できそうです。
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