アジア系の映画祭などで紹介され、常に「佳作」と評価の高かった映画。
ついに、ついに、観ました!
93歳の本物の現役理髪師、チン(Jing)さんの日常が、そのまま映画になっています。
ちなみに、胡同は、北京中央部の下町です。
昔ながらのつましい暮しをする庶民が、身を寄せ合っている地区です。
08年の北京オリンピックのために、立ち退き~再開発が急速に進み
その昔の良き面影はどんどん遠ざかっているとのことです。
歳の重ね方で、こんなにも美しい、いや、神々しい顔になるものなんだな、と
もうチンさんのアップや所作を観るだけでも大感激の一日でした。
白髪を櫛で撫でつけると、それも美しいのです。
眼鏡も補聴器も必要無し。手が震えるなどということも全く無し。
古いネジ式時計のカチコチいう音が、この映画の通奏低音。
もう一回、観に行きたいなーっ。
去年、渡欧した際に乗った飛行機内で上映されていた映画の中に
インド映画が含まれていて、それがとてもジンとくる作品だったのですが、
この『胡同の理髪師』のような中国映画も、その他のアジア諸国の作品も、
日本発着の便の機内で、あるいは、海外映画館でも
より積極的に上映して欲しいものだと思います。
政治や外交が絡むと、映画1本の海外上映にも、
難しいことがいろいろあるのでしょうか。 はて。
※『胡同(フートン)の理髪師』 (The Old Barber)
2006年作品 カラー 104分
この映画のタイトル、ぜひ憶えていてください。
そして、いつかどこかでチャンスが巡ってきたら、
ぜひぜひご覧いただきたいと思います。