ミステリーの宝庫の一つ、北欧・スウェーデンから
2003年に発信された若い女性作家(1974年生)の
作品。 日本では、2009年8月に邦訳が出ました。
すでに25カ国で翻訳刊行、
本国ではテレビ映像化も実現しているそうです。
(作者と等身大の)女性作家が事件に巻き込まれ、
幼馴染の警官とともに、もともと自分たちが抱えている
諸問題も合わせて解決してゆく、という内容。
イェーテボリに近いというフェエルバッカ町が主な舞台ですが、
ストックホルムも少し出てきます。
プロットは・・・やや甘いですかね。
‘オチ’が先にわかってしまうと、この作品の場合面白さが半減します。
「一世代ほど前には、スウェーデン社会や階級の仕組みや考え方は
どのようなものであったのか。それがどのように変化しているか」
ということに、登場人物たちの暮らしを通して触れた気分になれることも
楽しみの一つです。 (案外保守的です。 地方の性質でしょうか。)
本国では、このデビュー作の後、毎年一冊くらいのペースで
シリーズになってきたようです。
個人的には、もう少し年長のおじさんたちが活躍する
重たい作品(例えば、同じスウェーデンの古い作品群では、
マルティン・ベック・シリーズやクルト・ヴァランダー・シリーズ)
のほうが好きかもしれないなあ、と思っているところですが、
「それでもやはり全部読み通したい」という矛盾が・・・。
※ 『氷姫 エリカ&パトリック事件簿』 カミラ・レックバリ・著
集英社文庫 2009年8月初版 905円+税
ISBN978-4-08-760584-6
※ 作者の公式サイト
http://www.camillalackberg.com/
(英語のページがあるという表示は出ているのですが
現在うまく動かないようです。
母国語のページで、本人の顔だけでも覗いてください。)
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