平田オリザさんの講話を聴きました。
と、いうより、ナマのオリザさんを至近距離から2時間たっぷり観察しました。
1962年生まれなのに、もうすっかりおじいさんみたいな雰囲気が漂う人です。
鳩山総理の初心表明演説の原稿を書き、リハーサル(!)に立ち会ったそうです。
劇作家なのに内閣官房参与になった、ということで、注目されていますね。
このことで、「劇場法」というものの制定が早まるかもしれない、
というニュースが飛び交い、期待と心配とが、関係者の間に渦巻いています。
大改良が必要な分野であることは、誰もが認めるところ。
しかし、これほど経済的に苦しい中で大手術をしたらどんな結果になるのか、
ということには、皆大きな不安を持っています。
また、参与とはいえ、作家が政治に深く係わってゆくということ自体に
どう折り合いがついているのか、という疑問は消えません。
ご本人は「改革を間近に観察できるチャンスだ」ととらえている、ということですが。
もう一つは、オリザさんの目指す方向へ日本全国の劇場が変わったとしても
彼の専門である「演劇のジャンル」だけが中心の劇場運営にならないのか、
ということを、私は懸念してしまいます。
ダンスやクラシック音楽には、全体の一割くらいしか光が当たらなかったりするのでは。
ダンスに特化して言えば、(演劇と比較的相性が良い)「コンテンポラリー」と呼ばれる
ジャンルのみが、珍重されることになるのでは。
まあねぇ、踊れて踊りを作れて、しかも弁論でも他に負けない、という人は
なかなかいませんからねぇ。
何はともあれ、生のオリザさんの次は、「ロボットと人間が競演する彼の作品」を
しっかり鑑賞して、次のことを考えてみたいと思います。
※ オリザさんが主宰する青年団の公式サイトに、参与の件はこう↓↓↓書かれています。
http://www.seinendan.org/jpn/oriza/msg/index.html
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