本屋さんの帰りに、暑さで頭がくらくらしたのを
口実に、コーヒー屋さんの一番奥の席に陣取り、
この本まるごと一冊読破してしまいました。
小さい人は、一人ひとりが「タダモノじゃない凄いヤツ」
だぞ、ということを、ぼんやりとはわかっていても、
こんなにはっきりと書き表せる人はなかなかいません。
よしもとばななさんの観察、分析、そして筆力!
華鼓さんという人の挿絵(鉛筆画?)も素晴らしくて、
ちょっと味戸ケイコさんの作品を思い出したりしたし、
涙が出そうにジンとした箇所もあって、素敵な本です。
それから、息子さん(自分で自分のことを「チビちゃん」と呼びます)の
なんと独自に賢くオモロイことでしょうか。
(正確に「このエピソードは何歳何ヶ月の時のものです」と書かれていないところが
想像をかき立てられてうれしいところ。)
このように丁寧に育てられている小さい人たちと、そうでない人たちの
差がどんどん広がっていることを思い出すと、どうしても心が痛みます。
2年分の月刊誌への連載分をまとめたものですが、
3点、気になったことを書かせてもらいます。
その一。 前後にもう一年ずつ、計4年分のボリュウムで
もっとたっぷり読ませていただきたかったです。
(こういうのは、いつまでも読んでいたいから。
でも、チビちゃん本人のご意向は「NO」でしょうね。)
その二。 大型の本で、連載中のように1ページ完結の形に
まとめられたもの、チビちゃん本人の絵を使ったもの
(当ブログでご紹介しているのはその一部です)も名残惜しいな、
と思いました。 (この新刊本は、1エピソードに4ページの割合。)
最近、大きく重く高価な本は少なくなりましたもんね。
その三。連載中の副題は、次のとおりでした。
「A landscape only 10 meters away」
・・・ 何故「10メートル」、なんでしょうか、ね?
当ブログ画面右側『カルビーナの本棚』にもご紹介中です。
※ 『すぐそこのたからもの』 よしもとばなな・著
文化出版局 1,300円+税 2011年7月初版
ISBN:978-4-579-30436-3
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