白髪混じりのセミロングを後ろでゆるく一つに束ねた女性。
原型に近いワンピースは白黒の細かいチェック。
サマーウールかシルクウールでしょうか。
七分袖が、この季節になんともイイ感じ。
着丈は長めで、ふくらはぎがほとんど隠れていました。
黒いスウェードのパンプスは、ヒールが3㎝ほどしかないものの
華奢なフォルム(細いかかとと細いつま先)がたいそうエレガント。
腕にかけていたのは、印伝(黒地に黒の唐草模様)のフラットな小ぶりのトート。
そして、本日の「白眉」、墨黒の地に透かし模様の入った大ぶりな日傘!
絹糸を束ねたような、黒っぽい房の飾りが傘の手元で揺れていました。
身につけている何もかもが、見るからに上等でシンプルで、
流行には関係ないというのに、まるであたりをはらうような雰囲気です。
焼けついたアスファルトの小道を通って、その人は銀行の中へ消えました。
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