亡くなって30年以上経つというのに、
憂いを含んだ美しい演奏に飽きもこず、
常にリマスター盤や未発表音源の
アルバムが出るのを心待ちにしています。 ただし・・・
「気持ちを持ち上げる」ものが欲しい人には不向きかも。
燃え盛っているというのに青白く冷たくもある、豊かな叙情を
たたえていることは間違いないのにそれだけに終わらない、とでも
形容すれば良いのか、相反するものを内包する独特の世界です。
当ブログでは、あまり積極的にCDのご紹介をしていませんが、
最近このエヴァンスのムック新版や、埋もれていたライブ録音が
続けて出てうれしくなり、アップすることにしました。
ファンとしては、もはや「完成度がどうのこうの」という評価は
どうでも良くて、「未だ聴いていない新しいものが聴ける!」
というだけで、万々歳でございます・・・。
死に急いだ感が否めない人ですが、捕まえることも閉じ込めることも
難しい「音」を、死後も多くのファンに支持されている演奏家、という
在り様が成立しているのは、ある意味幸せなことだと思います。
(活躍していた時期のオーディオ技術レベルや録音条件を考えると、なおさらです。)
瞬間芸術に限らず、この時点で(存命中で)もてはやされているアーティストのうち
死後も(単純に)残るだけではなく、支持を伸ばしていける例は、ごくわずかのはず。
これからしばらくの間、夜に聴きこんでいこうと思っています。
※ 『KAWADE夢ムック ビル・エヴァンス 増補新版』
河出書房新社 1,260円(税込)
※ CD 『Live At Top Of The Gate』
NY録音 日本語訳付版と輸入版あり
※ CD 『Live At Casale Monferrato』
イタリア・ピエモンテ録音 輸入版
コメント