もともと、この野坂さんの本は、
NHKの教育番組のために編まれたもの。
(この裸電球は、黒田征太郎さんが描かれたもの。)
いろいろな日記や資料をパッチワークのようにツギハギしているせいか、
流れるように読み進むことができる作品ではありません。
新しいものでもありません。 ここでは、一節だけ抜書きさせてもらいます。
「どこかで自分は大丈夫とみなしている。
巨大地震同様大災厄について、人間は想像力が働かない。」
「人間は他の動物が持たない想像力を持っているぞ」と威張っていたら、
あらら、実はそれはほとんど働かないものだったのね、自覚しなくては、
ということですな。
最近の政治や世界の情勢に悲観的になったり、
デモや集会に参加したりしている人たち、それから、
(まさに私と同様に)戦争を含む災厄や天変地異に対して
何の備えもできていない人たちにも、チェックしていただきたい本です。
※ 『「敗戦日記」を読む』 野坂昭如・著
NHK出版 2005年7月初版 1,300円+税
(最初の番組テキストは2002年夏に発行)
ISBN4-14-081056-4
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