きくち・なるよしさん。
音楽家だという認識しかなかったのですが、
文筆家でもあった(文筆家にもなった)んですね。
パリ、ミラノ、東京のメゾンのショーで使われる
「ウォーキング・ミュージック」に関する珍しい考察。
菊池氏によると、この独特のステージの上では、音楽にぴったりと合わせるのは
野暮の骨頂であり、音楽に合わせず自らの意思によって歩く際に生ずる
微妙なズレこそが、個々の主張の表われであり、メッセージであり、
エレガンスを生むのだ、ということのようです。
つまり・・・「間」(ま)が多くを語る、ってことですかね・・・。
でもねぇ、「音楽とぴったり合っている動きは、すべて野暮だ」と
決めつけられるものなのでしょうかね・・・。 んー、難しい。
文章が難しいと感じる理由の一つは、この本で取り上げられている
ブランド(メゾン)について、私があまり多く知らないからかもしれません。
が、なにしろ珍しく、興味深い考察ではあります。
また、こういう特殊な音楽のジャンルで専門的な仕事が成立している、
ということにも驚かされます。
※ 『服は何故音楽を必要とするのか?』 菊池成孔・著
河出文庫 2012年12月文庫版初版 900円+税
ISBN978-4-309-41192-7
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