遠くから近づいてくる女性の頭の上で
淡いシルバーグレーのオブジェがゆらゆら動いていました。
でっかい肉まんの皮が頭の上でつぶれたようなベレー帽でした。
私はベレー帽が似合わないし、周辺で上手に使う人もほとんどいないので
久しぶりにとても新鮮な印象を受けました。
近づいてからわかったのですが、ベレー帽本体は無地のなんでもないもの
なのに、通常女性が被るものよりも大きかったのでした。
その上、ほんの少しだけグレーのトーンが本体より濃い幅広のグログラン・
リボンを大きく柔らかい蝶結びにして、その形のままをベレーのてっぺんに
ていねいに手で縫いとめておられました。
色や素材も含めて、とり合わせるものの吟味が入念になされていること、
これがやはり大切なのだと教えられました。
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