明治初期、「東都築地ホテル館」というのが
本当に存在したのだそうな。 中央区立京橋図書館
に保管されているという錦絵(のモノクロ写真)を
このミステリー本をパラッと開いた時に発見し、
それに引っ張り込まれるように読みました。
ストーリー展開よりも、西洋が一気に入り込んできた当時の
東京・横浜の様子を思い浮かべることが楽しくて。
この日本最初の洋風ホテルは、4年足らずで経営が傾き、
しかも焼失してしまったそうですが、錦絵はいくつも残されています。
翔田 寛(しょうだ・かん)氏の作品に触れたのは初めてです。
緻密な準備と計算が、文面から立ち上ってくるようでした。
他(『誘拐児』(江戸川乱歩賞受賞作)、『祖国なき忠誠』など)も
この秋一気に読んでみますかね・・・。 明治初期の話じゃないけど。
※ 『築地ファントムホテル』 翔田 寛・著
講談社 2012年2月初版 1,600円+税
ISBN978-4-06-217500-5
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