まず、英国で製作された映画ではない
ということに興味をひかれました。
米仏合作だそうな。
フレデリック・ワイズマンだから
実現した作品なのかしらね・・・。
学芸員はじめ、館内で仕事を得ている人たちが、絵画作品の
前で、観客に解説をする場面がたくさん収録されており、
日本人があまり得意ではないプレゼンテーションの例としても
大変興味深かったのでした。
沈黙を守る絵画という美を、人々の弁舌で支えている、という矛盾。
経営方針を決定する会議にもカメラが入っており、
一般の来訪者のニーズや世の中の動きをいかに読み、
館として次に何に挑戦してゆくべきなのかを議論する場面も
おもしろかったと同時に、いわゆるスノッブな`上から目線’が
そのまま透けて見える場面も少なからずあり、考えさせられました。
ある学芸員が「優れた絵描きたちは、作品の中に、
明らかに謎を意図して残していると思う。
だから何度もそこに引き寄せられるのだ」と論じたのが
個人的にはとても心に残りました。
あ、それから、バレエ好きも必見ですよ。
ワイズマン作品ですからね、ちゃんと踊りも登場します。
というか、これを以って長い作品(3時間!)を締める、
という構成です。
映像技術が進めば、どんどんリアルなものが残せるわけで、
人類はそれをいったいどう使いこなせるのか、あるいは、
どう使いこなすべきなのか、模索が続いているように思います。
美術館関連の記録映画や舞台公演の記録映像に関しても、
これからさらに数多くの作品が発表されていくはずです。
最近では、オランダの国立美術館の記録映画を見逃してがっかり。
これから上映する映画館も各地にあるので、お近くの方はぜひ。
※ 映画 『ナショナル・ギャラリー の至宝』 公式サイトはこちら↓↓↓から
http://www.cetera.co.jp/treasure/
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