塗りの赤木、陶芸の内田、鍛金の長谷川、三氏。
それぞれが自分で気に入って手元に置いて
その創作の素として大切にしているものから
自分で選抜して全カラーで紹介しておられます。
コンパクトな図録みたいな体裁で、
各人の作文と併せると、「こんな思考の
持ち主だったんですか」と新しい発見も。
例えば、赤木氏・・・ 形に意味付けする作業を欠かさない人のようです。
「ある椀の微妙なカーブに宗教的な意味を見る」というような。
発表するその創造物だけがすべてだ、と、一切コメントを出さない生き方も
あるとは思いますが、情報があふれかえっているのが普通の現代社会では
それはもはや難しくなっているのかな、むしろ、創作・想像活動以外に
雄弁さが周囲から求められることが多いのかな、とも考えるのです。
その点で評価されにくいクリエーターたちの行く末は如何に。
また、「大らかさ」「無邪気」「無心」というものの評価の行く末は如何に。
※ 『形の素』 赤木明登、内田鋼一、長谷川竹次郎・著
美術出版社 2,500円+税 2014年12月初版
ISBN978-4-568-14370-6
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