老舗の喫茶店の一番奥に座って本を読んでいたら
斜め前に年輩の女性が二人仲良く入ってきました。
顔かたちが似ていたので、おそらく姉妹だったのでしょう。
お二人とも、セミ・ショートの髪がゆるくカールしています。
わざと白髪を半分くらい残してメッシュ風に染めておられました。
ノーメイクでしたが、目が大きくて全体に整った顔立ち。
フロア中がパッと明るくなったように感じました。
日本の女性には珍しく、お一人は淡いクリーム色の地に
大きなワインレッドの花がいくつか散ったシルクの上着を、
もうお一人は、真っ青な、そう、ラピスラズリとトルコブルーを
足して2で割ったようなツヤツヤのシルクのスモック風ブラウスを
着ておられました。
これらの大元の布地は、いったい何だったのでしょう・・・。
着物ではないような。と、すると、インドのサリーかな。
タイシルクだったのかもしれません。
良いなあ、こういうおしゃれ。
良いなあ、二人でゆっくりお茶を飲んでおしゃべりして。
上手に歳を重ねることが、そうそうたやすくはないなあ、と
思うことも少なくない今日この頃なので、こういう素敵な人たちに
出会うと、そこだけ光が当たっているように見えてしまいます。
ここ何年かの間に、年輩の女性たちのおしゃれスナップ集が
いろいろ刊行されていますが、私は、おしゃれそのものだけではなくて
その人達が元気で年を重ねているその様子をこそ、みんなが観たいのかも
しれないな、なんて考えてしまいました。