乗り物の中から流れて見える風景の中に、今はちょうど
チラチラと満開の桜が見えるので、居眠りは厳禁です。
窓にへばりついていると、「こんなところにもあったのか!」
と、建物の合間に咲いているのを発見できます。
「私はここでこうして生きている、ということを、1年に1度でも
みんなに静かに知らせたいのです」とでも言っているように咲いて、
それはなんだか静かなのに発光しているようにも、発熱している
ようにも感じられる、独特の発信の仕方で、私自身もそれに倣いたい
ものだなあ、などと、しみじみ思ってしまいます。
私の出身地や現在の居場所では、新学期、新ビジネスイヤーをこの月、
この時期から始める人が多いこともあり、私もこの花が開くと
「一年の区切りを迎えた。また歳をとった」と感じることが増えました。
そして、命のはかなさや人生のせつなさも、薄紙を重ねるように
毎年そこに加えて、この花を愛でているように思います。
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