シネマ歌舞伎『喜撰/棒しばり』が、
この時期に各地で再映されています。
デジタル・リマスターであっても
見づらい箇所も無くも無いのですが
それでも至芸の録画が残してあって良かった。
平成16年の録画ということは、もう13年も前ですか・・・。
歌舞伎座も新しく建てなおり、この映像の中の舞台ももうありません。
三津五郎さんも、勘三郎さんも、遠い星に・・・。
至芸の片鱗を、できるだけ多くの人たちに観ていただきたいと思います。
顔や目線の微妙な角度のコントロールにより、顔色や目の光り方まで
異なって見えるなんて!
身体の中から生まれ出てくるリズムや躍動感は、西洋の舞踊と
異なっているようでいて、コントロールの鍛錬の成果、ととらえれば
それらは近しいもののようでもあります。 両者が大変上質のものであれば。
総じて、まったく力みが無く、フーッと息をするように自然で平穏に見える
というのに、誰にも真似ができません。
短くてわかりやすい作品、楽しい作品を選んで、公立の学校でも
小さい人たちに見せる、などという一般に開かれたプロジェクトが、
何故もっと進まないのか、かねてから不思議に思っています。
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