大地震から早くも1年半以上が経過。
次々に新しい事件やニュース、スキャンダルが
報道され、被災地のことは忘れられがちです。
行定勲監督の熊本シリーズ、第二弾。
傷ついた熊本の様子もおさめられた映画作品。
私は、矢内原美邦さん振付のコンテンポラリー
ダンスが、熊本の景色の中でどう折り合いを
つけているのか、というのが観たくてチェック。
高良健吾さんの人気と活躍で若い女性も注目する作品なのかも
しれませんが、個人的には、この作品とは別に「ダンス編」
つまり、ストーリーが無い作品として、熊本の美しい自然、
傷ついた風景の中でこの矢内原さんのダンスだけを延々と映す、
という版も観たかったなあ、と思ったのでした。
互いが呼応して、もうそれだけで涙が出るほど美しいものです。
そう。 傷ついたものもすべて愛しく美しく見えるのが、なお
いっそう切なく胸に迫って。
本作でダンスを披露しているのは、女優・原田美枝子さんの
娘さんだそうですが、そちらで話題になるよりも
矢内原さんのお名前や表現の素晴らしさがもっと打ち出され
ても良いのに、とも思いました。
過去に観た生の舞台作品よりも、こちらのほうが沁みました。
行定監督のこのシリーズは、第三弾がクランクアップしたばかり
だということです。 第一弾では傷つく前の熊本がおさめられました。
最新作では、‘傷跡’をどのようにフィルムにとどめて発表されるのか
気になるところです。
※ 映画 『うつくしいひと サバ?』公式サイトはこちらから
自主上映会なども各地で企画されています。
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