振付家・モーリス・ベジャールが亡くなって
まる10年が経ちました。 早いものです。
現存する有名な座付振付家とそのバレエ団で
スケールの大きなものは、世界的にも稀有。
いくつもの条件が揃わないと実現しないのです。
モーリス・ベジャール・バレエ団(スイス・ローザンヌ)と
東京バレエ団とが、ズービン・メータ率いるイスラエル・フィルと
東京で共演したベートーベンの「第九交響曲」を記録した映画を観ました。
こういう舞台作品の記録映画、近年増えていますね。
劇場という空間は、もともと裏(楽屋)を見せない、
さらには、もともと客席から見えるところのみに光をあてて
その魅力が倍増するように提供するものが普通だったわけですが、
最近は表も裏もはたまた取材対象者のプライベートやスキャンダル
さえも、全部見せてしまう企画が当たり前になってきました。
現実に劇場に足を運ぶことなく、生の舞台作品に触れないまま
一生を終える人も増えているのでは・・・。
ベジャールが編み上げた「目で見る交響曲」だけに集中して
その作品を愛でたいとだけ思ってこの作品と向き合いました。
個々のダンサーのプライベートや、有名な関係者のお子さんなどが
どうのこうのというような枝葉は、申し訳ないけれども要りません。
聴力を失っていたベートーベンに見せられたら良かったのに・・・。
評論家の三浦雅士氏は、「文字で表現する方」との印象が強いので
このフィルムにおさめられたのは個人的にはかえって残念でした。
あっと・・・ズービン・メータは「音楽を紡ぎ出す方」ですが
インタビューでも素敵でありました。特に笑顔が。
※このページのトップにお借りした映画のクレジットは以下のとおり。
(C)Fondation Maurice Bejart, 2015 (C)Fondation Bejart Ballet Lausanne, 2015
※映画 『ダンシング・ベートーベン』公式サイトはこちらから
※参考情報はこちらなどから
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