昨冬の展覧会を観た後、心待ちにしていました。
それから、「最近ますます魅力的になった」、
「憧れが増すよね」と私の周辺で話題の
樹木希林さんがガッツリ観られる機会でしたし。
(ますます憧れの人の一人になりました。)
静かで美しい映画なのかと想像していましたが・・・
なんだか「そうさせまい」として作られたものなのかな、と
勘ぐってしまうほど、なんでもない生活の中にある(あった)
クマガイ家とその周辺の人たちの微笑みに満ちたリズムが
刻み込まれていて、下手すると安っぽいコメディーになって
しまうギリギリのところまで‘攻めて’いる箇所がいくつもあって。
希林さん演じる奥さまがポソリとつぶやく言葉や、何気ない
しぐさの中に、モリさんへの深い愛情を感じたり、あちこちの
映画評で何度も読んだ「モリさんのしかめっ面」「怖い顔」が、
私には何度もかすかな微笑みに見えたりしたところが、
たぶん‘重し’として働いているのでした。
幅広い年齢層が一緒に楽しめるのかな、とも思いました。
冬に気にいって購入した絵葉書のカエルの絵(のオリジナル)が
映画の冒頭、家の中に無造作に飾ってあるのを見つけたことも
なんだかフワフワフツフツとうれしかったのでした。
ちょっとした個人的な繋がりは、思い出をより鮮やかに強く
とどめる画鋲みたいに働くことがあります。
※ 映画 『モリのいる場所』 公式サイトはこちらから
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