第100回全国高等学校野球選手権記念大会も
いよいよ大詰め。 東北勢が躍進し、
本日いよいよ決勝戦を迎えます。
開幕の頃から、今夏は小説を読みながら
並走してきました。 初めての楽しみ方。
『夏空白花』は、第二次大戦直後から
この野球大会を復活させるべく尽力した新聞記者
(架空の人物。元高校球児)を中心に据えた物語です。
日々の食べ物にも事欠き、野球場や原っぱは焦土か野菜畑と化していた
日本の当時の実情を考えると、無謀とも言える尽力・努力だったのでした。
それでも早々に実りました。主人公以外には実在の人物が数多く登場します。
戦勝国・占領側の「Baseball」と、日本の「野球」(ときには野球道)とが
どこでどう折り合いをつけるのか、あるいは、認め合うのかについては、
何度も読むのを止めて考えさせられました。
野球以外の問題についても、広く外国と日本との問題として
同じように感じ、考えることができるかなぁ、と思いました。
戦後の第1回大会の開会時、選手たちが、甲子園で青空のもと
胸を張って白いユニフォームに身を包み、勢ぞろいした様子を
当時の新聞が「白い花のようであった」と伝えた記録から
この作品のタイトルを思いついたのだ、と、著者の須賀氏は
過日のトークショウで説明しておられました。
写真の中の文庫本のほうは、同じ著者が以前に発表した
高校野球を題材とした短編集です。
※ 『夏空白花』(なつぞらはっか) 須賀しのぶ・著
ポプラ社 2018年7月初版 1,700円+税
ISBN978-4-591-15952-1
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