第二次世界大戦直前のドイツ。
幼なじみがナチスとカトリック教会との
二手に歩みを分かち、戦後にかけて火花を
散らす様子を小説で一気に。 戦時の話は
普段は実話や記録を読むことが多いのですが。
「乱れのない兵士の動きは美しかった。
日々繰り返される行為の中に意思はない。
一片の感情もないからこそ彼らの動作は淀みなく、
完璧に揃うのだ。」
皆が一斉に同じ方を向いてしまう怖ろしさを、
声を上げずに引き返すことができない所まで
突き進んでしまう恐ろしさを、今の私たちも
日々敏感に感じようとするべきなのだと思います。
※ 『神の棘』 須賀しのぶ・著
新潮文庫 I- 750円+税, II -890円+税
2015年7月初版の文庫は、2010年夏に
発表したものを全面的に改訂。
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