アクラム・カーン振付の『ジゼル』。
英国で評判になった版を、昨秋から日本では劇場で放映。
本当は来日してくれればもっとよかったのに。
クラシックバレエの中でも、古典中の古典とされる作品から
現代に通じるエキスだけを引き出して、どこの国の話でもない、
あるいは、どこの国の話でもあるように作り変えた版です。
白のバレエの好きな私には、とまどいも感じさせられる作品ですが
これはこれで興味深かったのでした。
派手な舞台装置や衣装があるわけではありませんが、
記憶の中にいくつか強烈な映像が刻まれた感があります。
もう一作、これまた映画で観たのが、ディズニーの『くるみ割り人形』。
こちらも、原作のストーリーを大きく改変しており、チャイコフスキーの
音楽も切り刻まれ、一部しか使われておらず、ほとんど別の話に見えました。
二作ともに、アイディアとしては面白いな、と思いつつ鑑賞しましたが
これらが、原作を越えて100年も200年も残る作品なのか、と考えると・・・。
でも、現在「最先端だ」とされているものの中にも、目を凝らすと
大昔の考え方や発明を踏襲したものが案外たくさんありますよね。
人間の営みは、そのことの繰り返しなのかも。
たくさんそういうものを生み出しつつ、先へ進むということなのかも。
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