小説『ミレニアム』読破。4作目から創作を
引き継いだラーゲルクランツ氏も、最初から
全部で3作しか書かないという約束らしいし、
それなら6作目で完結するのか、と問われれば、
そうならない予感もする、という状況で。
4作目の前半に、書き留めておきたい言葉がありました。
「重要なのは、人生の大切さ、豊かさを理解することだ。
われわれは人生をありがたく享受すると同時に、
この世界を良くする努力もしなければならない。
そのふたつのバランスを見つけた者のそばに
神は御座(おわ)します」
以前に近しい人が亡くなった後、米国の知人から
「世の中をより良くすることに頑張った人だったね」という
手紙が届いて、その言葉がずっと心に残っているのです。
それと、この小説の1節とが響き合ったのだと思います。
「神」ということを抜きにして考えても、沁みる一節です。
連日、虐待関連の報道で名前が挙がる栗原心愛(みあ)さんと、
この作品の主人公・リスベットが、私の頭の中で何度も交錯。
北欧も、幸せな暮らしのイメージばかりが取り上げられがちですが
普通に深刻な社会問題を抱えている、むしろそれが潜り込みがちだ、
という場合もあるのかな、とも思います。
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