独りぼっちのジョージさんが歩いていると
箱があらわれます。 箱はどんどん増えて
足も生えて、ジョージさんの世界に
ぐんぐん入り込んできて・・・。
(Photo: cortesía de Teatralia)
音楽と人の手が操作する人形だけで創り出す、静かで楽しくて
孤独や友情についてちょっぴり考えさせられるこの作品は、
9年前に来日し、好評を博したそうで、今夏再演が叶いました。
デンマークのシアター・リフレクションは、デンマーク第二の都市・
オーフスにその本拠を置き、世界各地で子どもから大人まで、
みんなが鑑賞できる作品を上演し続けています。
動画(録画)で簡単に様子を知ることができる世の中になっても
本物をライヴで鑑賞することとは、やはり同じではありません。
同じライヴを共有している客たちが息をのみ、ため息をつき、
クスクス笑うのも、小さい人が声を上げるのも、幸運に
恵まれれば、自分のかけがえのない鑑賞の時間を、さらに
輝かしいものに増幅してくれる場合があります。
日本に限って言えば、「小さいお子さんでも楽しめます」と
宣伝されることが多い作品が何かあったとすると、それらを
これからは、例えば高齢の方々や、何らかの障害を持った人たちにも
届けることが実現に通じる発想と、お役所関係の動きの変化が
求められるのではないかと思います。
また、文楽をはじめ、日本で生まれた人形芝居や人形劇との交流や
文化比較などもおもしろいのではないでしょうか。
こういう名作が「10年くらいに一度招いて終わり」というだけでは
たいそうもったいないな、と思うのは、私だけではないと思います。
※ 人形劇『箱とジョージさん』
"Boxy George" (原題:Kasse-Madsen、2007年、40分)
動画で様子をご覧ください。
ジョージさんが決して若くはないところにもご注目。
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