食べ物に関する日記風エッセイが約80。
プラス、書下ろし短編が巻末に。
刊行されてから未だ1年くらいだな、と
思って図書館で借りてきたら、その前に
雑誌で連載されていたものでした。
丁寧で行き届いた子育てや食生活を続ける家庭と
外からは見えにくい崩壊を抱えている家庭とが
この先もっと二極分化してゆくのでは、と
頭の中を冷たい風がよぎります。このご家庭は文句なしの前者ですね。
ちょうど、大震災の起きたすぐ後の時期のエッセイを、この作家
だけではなく、他の人のものもいくつか重なって読むことになり、
筆も気持ちもさっぱり前向きになれなかった人がいるかと思えば、
淡々と仕事を進めておられた人もいたのだなぁ、と比較することが
できました。ここのところも、いろいろと考えさせられます。
※ 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。』 宮下 奈都・著
扶桑社 2018年6月初版 1,500円+税
ISBN978-4-594-07983-3
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