1963年生まれ。ということは、現在50代半ば過ぎ。
「踊る女優」と呼ばれ、若い時から世界を股にかけ
華々しい活躍を続けた後、2007年に引退していた
ミラノ出身のスターダンサー、フェリが、今夏、
12年ぶりに東京に(文字どおり)舞い戻りました。
目の肥えた観客、いやいや、バレエの神様が、彼女を引退したままに
するには惜しい、と、舞台へ引っ張り出した、ということでしょうか。
興行的な事情もからんでいるのかもしれませんが、やはり喜ばしい
復活の舞台ではありました。
絶頂期の輝きだけを記憶にとどめておきたい、というファンは、
観に行かない、行かなかったのでは、と思います。
身体のしなやかさを幾分失い、特に背中や腰の可動範囲が狭くなって
いるようでした。それでも、相変わらずの容姿と体型。
日々の努力と気づかい、いかばかりかと思いました。
運動能力も確実に落ちていてもなお、
誰よりも光輝く芸を持っている人、というのもいるのかな、
いて欲しいな、というのが、大勢の人々の永遠の願いですね。
‘ダンサーのエイジング’は、まだまだこれから先に多方面から
研究されるべき課題だと思われます。
写真は『マルグリットとアルマン』(1963年初演)。
英国の名振付家・フレデリック・アシュトンが、既に引退を
囁かれていたというマーゴ・フォンティンと若いヌレエフのために
作り上げた一幕物(30分)です。この時マーゴも(計算すると)
50歳半ばに差しかかりつつあったのですが、この作品が好評を
得ると、以後、名バレリーナと言われた人たちが、晩年に
幾人も演じていて、ある意味、若いダンサー憧れの作品とも
言えると思います。ご興味がありましたら、動画で探してみてください。
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