ちょっと(泣き笑い的な)下がり気味の眉が
チャームポイントのヤスミン・ナグディ。
2年前に英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル
に昇格。今夏の来日公演にも参加しました。
『ロミオとジュリエット』の録画が劇場公開されました。
胴体から足先にかけてのラインには、細いながらも時に硬質の鋼さえ
感じさせる強さがありますが、ほんの少しだけ、的確に捉えた音を
腕から指先の動きが、その後に柔らかくずらされることによって
生まれる余韻や広がり、そう、残り香のようなものが、録画で観る
ことで、より明確になるのかな、と思いました。
ピアノの楽器演奏時に使われるダンパーペダル効果のような、
ポンと打ち出した音に、音の余韻が広がり残る効果に似たものです。
まるで、滑らかな生クリームのようなヤスミンのポール・ド・ブラ!
2018年に、同カンパニーのプリンシパルになった、マシュー・ボールとは
背丈の具合もお似合いの、フレッシュな『ロミオとジュリエット』です。
マシュー君は、ピカピカの銀のスプーン、ってところですかね。
まさに上り調子。日本では、今夏、男性ばかりの出演で知られる
マシュー・ボーン版『白鳥の湖』への参加(来日)でも話題になり、
人気急上昇で、『ロミオとジュリエット』上映の宣伝にも、彼のほうが
全面に打ち出されているようです。
銀のスプーンと言えば・・・『ロミオとジュリエット』でティボルトを
演じているベテランのギャリー・エイヴィスが、もう本当に素晴らしい、
というか、他を喰ってしまっています。銀は銀でも、使って使って
磨き込まれた銀にしか宿らない光が、彼の演技の中に、否、既に
立ち姿の中にあるのでした。ロミオと剣を交える場面なんて、
向かい合っただけで、もうロミオがほんのオコチャマに見えますもん・・・。
この録画版には、かつてジュリエット役で名を馳せたアレッサンドラ・
フェリやレスリー・コリア、振付家マクミラン夫人らの元気な姿など、
録画ならではの内容が盛り込まれています。
名門と呼ばれるカンパニーは、それぞれ、‘何を守り、残し、
次に、何をどのように発信できるか’に常に心を砕いているようです。
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