「ギリギリもちこたえている」「崩壊寸前」
「軽症」エトセトラ、エトセトラ・・・
現実とはかなりズレているこのような言葉が飛び交う毎日に、
気分が落ち込む人も少なくないと思います。
見えない状況や現象を、本当に的確に捕まえる言葉が、
日本語自体に少ない、力が弱い、ということはないと信じたいです。
むしろ、見落としがちなところまで繊細にすくい取る力が
あるはずなのですのに。
言葉を用いる人の能力が低いか、意図的にそらしているか、
なんらかの理由から、的がずれている言葉が乱用されている感が。
それは、デッサンする際に「この線しかあり得ない」という
たった一本の線を追い求める作業と逆行する行為ですよね。
鉛筆でフラフラとつまらないラインをひっかいては消し、
ひっかいては消し、している間に、確信が逃げてしまうイメージ。
「たった一本のライン」とそれを発信する勇気はどこへ。