『サザエさん』復刻版、特に、第二次世界大戦
直後の1946年から福岡の地方紙で連載が始まった
頃の作品群を書籍にまとめた第1巻からの数冊は
明るい作風の中に、当時の庶民がどのような
社会生活をしていたかをも伝えるものです。
この復刻版(姉妹社が発行した当時の体裁を踏襲)には、
現在ではもう耳にすることも無くなった
当時の法律や生活習慣などが、皆にわかりやすいように
丁寧な注釈が付いているので、若い人たちにも、
心が重くなりがちな戦記や戦中の物事を題材にした読み物を
敬遠する人たちにも、さらりと読んでいただけると思います。
例えば、シベリア抑留、浮浪孤児、物資不足が生んだ
怪しい食べ物のことなどにも触れている箇所があります。
カツオのヘアスタイルが今のとは違っている(!)、
サザエさんが両親を「パパ」「ママ」と呼んでいる(!)、
などなど、おもしろい発見もたくさんあります。
私は、自粛ピークが過ぎる頃に入手し、明るい色の本のデザインに
さえ元気をもらいました。また、老齢の親族や知人たちとの
会話の‘種’としても、とっても重宝しています。
ぜひお手にとっていただくか、図書館にリクエストしてください。
最終(68)巻を目指して、現在毎月3巻ずつ発行中ですが、
私が特に皆さんにお薦めしたいのは、(上記の意味もあって)
このシリーズの初巻~15巻です。
※詳細は、こちらなどから。
※『サザエさん復刻版』 第1巻
長谷川町子生誕100年記念 朝日新聞出版
2020年1月発行 800円+税
ISBN-10: 4022588012
ISBN-13: 978-4022588012
コメント