どこまでも繊細で美しい高級服のように、
ディオールのアトリエで働く引退間近の
ベテランお針子と、彼女に才能を見出された
移民の女の子を中心に、さまざまな人間の
心のひだが映し出されます。
「美しいものを自分の手で作りたい」という女の子の望みは、
おそらくは世の中の多くの人たちに共通するもの、あるいは多くの人たちの
心に共鳴するものなのではないでしょうか。
ただし、自分がまったく気づいていない才能の芽を見出し、それを
辛抱強く育てようとする人たちがタイミング良く現れる、というのは
やはりある種のシンデレラ・ストーリーではあります。
が、こんなご時世ですから、この‘お決まり’は安心感につながるのかも。
実際にディオールのオートクチュールのアトリエで12年も
衣装アドバイザーを務めている人が係わっていること、監督の
実人生の投影があることなどから、この映画が‘フワフワした
夢の中の作りごと’に終わることなく、血のかよった作品として
より力強く(でも繊細に)私たちの胸にも響きます。
ファッションや美しいものが好きな人、フランスに旅行したくて
うずうずしている人、池辺葵さんの作品が好きな人などにも、
オススメしたいと思います。
※ 映画 『オートクチュール』の公式サイトはこちらから
でも・・・個人的には、作品を鑑賞してからサイトの中の
動画やインタビュー記事などをご覧いただきたいと思っています。
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