2年間も、ストックホルムで間借りをしていた経験は、
よそ様の、しかも北欧の人の「ライフ・スタイル実践編」に
くる日もくる日も、どっぷり浸かる、という経験ができた、
という意味で、私の人生の中でもトップクラスの財産になっています。
小さな女の子(初めて会った時が3歳)、
小学生の女の子(同じく、3年生)、
そして、コンピューターエンジニアのご主人(スウェーデン人)と
看護士の奥様(両親ともにフィンランド人ですが、本人は
スウェーデン育ち)の4人家族でした。
家族の一員として、迎えてもらいました。
スウェーデンではよく知られたブランド、
コスタ・ボダをはじめ、ブランド名もわからないような
洒落たガラスの皿や器を、いつも身近に使っていました。
奥様は、掃除や料理は大嫌い(で大の苦手)でしたが、
インテリア・コーディネートやディスプレイは、天才的だったのです。
花や絵画、ブリキのバケツ、イタリアの高価なステンレス製食器などなど、
何を見つけてきても、ピタリと家のどこかにおさめて、使ってみせる人でした。
(当然、ご主人が、一年の360日くらい、料理の担当!)
セントラル・ヒーティングのおかげで、厳冬期でも部屋の中が
常に快適温度に保たれているせいもあるのでしょうが、
寒い時期でも、ガラスの冷たさはあまり感じることがなく、
例えばごく普通に、透明のガラスのディナー・プレートを
冬場に用いたりしていました。
(しかも、このおうちは、メインのテーブルも、透明ガラス製!)
欧米の家庭では、とても気にいったシリーズがあれば、
(お財布が許せばの話ですが)同じ形の同じ食器を
6枚以上購入することが、とても多いようです。
家に人を招くことも多いため、それよりもさらに多く購入する場合も。
割ってしまったら、古道具屋で、同じものを探すことも、しばしばです。
私も、コスタ・ボダのシリーズの中に、いくつか気にいって
持って帰ってきたものがあります。
例えば、「ウッラ」という、透明ガラスに小花を控えめに
レリーフにしたようなシリーズ。
肉厚で、割れにくいし、他の食器とも喧嘩をしません。
また、ぼこぼこしているせいか、日本の冬でも
肌寒い感じはありません。
夏場は、このシリーズの小さいボウルに
氷水とそうめん、杏仁豆腐、冷奴、サラダ、
何でも盛り付けます。
冬場にも、しまい込まずに、できるだけ使います。
リネン類で暖かい色を添えることもできますし、
わざと白をメインに、きっぱりと冬の感じを
演出することも、案外楽しいと思います。
この頃、麻布を、日本でも年中使うようになっていますが、
それが一時の流行ではないとすると、
「次は、ガラスの番かしら」と考えてみたり。
季節感を忘れてしまうわけではなく、
大切にする、その方法が、ちょっと人さまと違っているのも、
おもしろいかな、と。