原宿の竹下通りをJR駅側から通り抜けた角に
パレフランスという洒落たビルがありました。
03年頃に解体された、と聞いています。
アンティーク商が出しているお店や、
ちょっと珍しい輸入傘やバッグのショウルーム、
そして何より好きだった、地下の喫茶店、ウエスト。
ウエストには、賑やかな原宿の中でも、
とびきり静謐な空気が充満していて、
一人で入ると自然に背筋が伸びたものです。
(「コワッパの来る所じゃねぇーぞ!」みたいな緊張感で。)
この店について語る人は多くて、
雑誌や単行本の中にも多数登場していますよね。
青山店は現在改装中で、ケーキの持ち帰りのみ。
来年、どのような形で生まれ変わるのか、
楽しみでもありますが、見るのが怖いような気もします。
(幸か不幸か、私は閉める前の青山店を知りませんが。)
足を踏み入れたことがなかった銀座本店に、先日やっと。
他の店に通っていたお客さまも新しい方も
みんなが今はここへ集中しているせいなのか、
とても混みあっておりました。
真っ白いクロスをかけた各テーブルには、
鮮やかな赤紫の蘭が低くこんもりと生けてありました。
椅子の背もたれの上部にも白いクロスでカバーをかけているところが
なんとも、なんともすっきりした印象を与えてくれるのでしょうか。
幻のパレフランス店をしんみりと思い出しながら、
こんもりふんわりと気持ち良く膨らんだ
シュークリームを、大切にゆっくりといただきました。
大きな白いお皿にのっかったのを、フォークとナイフで。
ここへ来ると、「自分の普段の暮らしの中でも、
もっと普通のことを、もっと大切にできるかもしれない」と
必ず考えてしまいます。
これは、何か、わかります?
(答えは左の欄「ふつうのスクラップ07」に。)
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