08年4月29日に、当ブログにもアップした日光菩薩、月光菩薩。
やっと先日、実物を東京国立博物館(上野)で観ました。
もちろん並んで順番待ち・・・
真正面下方からじーっと観ると
意外にも「こんなに微笑んでおられたのかー」というくらいやさしいお顔。
これまで観てきた映像や写真では
もっと厳かな、ややもすると厳しさの垣間見えるお顔だと
思っていたからです。
ある意味、怖ろしいことです。
私を含む一般人は、そうたびたび本物を観る機会がありませんが
観た角度や距離、光線の具合、明暗の度合いなどで
瞬時に印象が固定してしまうわけですから。
「薬師寺で何度も観ている」という方も、
もしかするとこの博物館でご覧になると、まったく印象が異なるのかも。
人ごみの中で、杖の力を借りながらゆっくりと菩薩さまの足もとに近づき
ひっそりと手をあわせて祈るお年寄りを幾人も見かけました。
‘祈りを誘うかたち’を、無から生み出そうとする作り手たちのことに
思いを馳せる機会をいただくことも、私へのお恵みなのかもしれません。
祈りそのものを具現化しようとするだけではなく、
祈りを誘うかたち、それを取り巻く空間を総合的に作り出そうとした
たくさんの先人たちのことを、改めて繰り返し考えます。
「日光も月光も御座さぬ薬師寺の庭陰静かに薬草芽を出す」
(5月19日 西日本新聞「西日本読者文芸」短歌の部 入選作)
奈良の薬師寺さんは、お二方が東京へお出かけなので
少しさみしい初夏を迎えておられるようです。
※国宝・薬師寺展 東京国立博物館
2008年3月25日(火)~6月8日(日)
http://yakushiji2008.jp/
ついにご覧になったのですね!
私もNHKスペシャルを見て、これは拝みに行かねば、と思っておりました。
こんな機会、自分が生きている間はもうないと思うんですよね。
私も頑張っておふたりに会いにゆきます。
素敵な報告ありがとうございました。
投稿情報: Kate | 2008/05/21 21:43
Kateさん!
コメントどうもありがとうございます。
あのテレビ番組、意外な人が熱心に見ていたりして
反響の大きさに後から驚きました。
そう。ぜひ、有休をとって。
「会いにゆきます」という言葉がまさにぴったりですね。
投稿情報: calvina | 2008/05/21 22:01
あの魅惑のお背中を見られたんですね~。私も何とか行きたいと思っているのですが・・・。
薬師寺の中に佇まわれている時と環境(照明も距離も)が違うでしょうから、きっと印象も違うと思いますが、その「祈りを誘う」お姿はどこにいらっしゃっても人々の心を打つのですね。
ますます行きたくなってしまった。どうしよう・・・
投稿情報: bibelot | 2008/05/25 22:03
bibelotさん!
ふふふっ。
安易にはおすすめできませんが、よろしければ、ぜひ。(^^)
天気の良い日に玄関の外に並ぶことも想定して、
帽子か晴雨兼用の傘をお持ちください。
博物館では、炎天下に並ぶ人たちのために、
少しは日傘を貸し出していましたが、なかなか皆さんの分までは、ね。
投稿情報: calvina | 2008/05/26 10:18