私がダンスやステージ・アートについての記事を書くように、と
後押しをしてくださった方が、引き合いに出して
励ましてくださったのが、イギリスの作家、ディック・フランシスでした。
バレンタインの日に、訃報が全世界を駆け巡りましたね。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0215/TKY201002140319.html
騎手として活躍したその経験を生かし、誰にも真似のできない
競馬の世界を中心にしたミステリーをたくさん残しています。
フランシスのすごさは、「競馬のことがわからない者にも楽しめる競馬ミステリー」を
書き続け、世界中にファンを得たところにあります。
細部に、粋な、あるいは、繊細な描写がいくつも潜んでいて、
私はそんなところが大好きになりました。
「ダンスを観たこともない者にも楽しめるダンス案内やステージ評」を
書けるはずだ、というヘリクツで、知人は私を励ましたわけです。
フランシスの作品を、この時から読み漁り始めました。
原文で読んだものもあります。
今でも、「自分にしか書けないものがあるのだろうか」と
迷いが膨れ上がって打ちのめされそうになる時、
この人の人生や作品から勇気をもらっています。