クリスティアン・ティーレマン(Christian Thielemann)指揮、
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演真っ最中。
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(ハース版)。
ぶっ続けで二時間近くの演奏を生で堪能したのは初めてで、
「あぁ。 耳の洗濯とはこういうことを言うのか」と思った次第。
ドイツのオケらしく、骨格がしっかりしていて、
のってくると「ガシガシ、ワシワシ」弾きます。
コントラバスやチェロあたりが「ガシガシ」弾くと、底からずしんと響いてきますね。
この作品には、「短くカットしたら、『スター・ウォーズ』に使えるんじゃない?」
というがっちりしたフレーズが、ところどころに散りばめられています。
そして、「優美さの中にも、どす黒いものや死の匂いがある」とか
「決してキラキラ光らないきらびやかさというものもある」とかいう主張を
感じたのでした。
最終章(第四楽章)は「闇に対する光の完全な勝利」を表している、と某解説で
読みましたが、私は「完全無欠のハッピー・エンドではなくても、
納得のできる結末は明るい」とブルックナーさんは言っているような気が。
もっと何度も繰り返して聴くと、印象は変わってゆくでしょうか。
新しい発見もあるでしょうか。
サントリーホールの別プログラムも聴いて比べたくなった私・・・。
ティーレマンさんは、2011年以降、どんな活躍の場を見つけますかね。
髪型を変えて、頭を振ったら「はらりんっ」と動くように工夫して欲しいなー。
※ 来日公演の詳細はこちら↓↓↓から
http://www.asahi.com/mphil/
(追記)
記事をアップしてしまってから、
もう一つ書きたいことがあったのを思い出しました。
「速攻ブラボー男」のこと。
福岡のこの公演は、内容は良かったのに、
最後の音の余韻を楽しむ間も無く、
このブラボー男にダイナシにされてしまいました。
演奏者たちにも最悪の印象を与えてしまったのでは。
福岡の文化度がこの人のために一気に下落。残念至極。
投稿情報: Calvina | 2010/03/29 11:08
あのブラボーは、なんのため?
深く沈潜し、天上を表現したブルックナー(強迫的な繰り返しのフレーズには、ちょっと病的なかんじもあるけど)の音楽を全く感じ取ってない人の、マエストロ、それに観客の沈潜した感覚をぶち壊す、一種の愉快犯?
3列目の席から顔を見ていた僕は、ティーレマンさんの表情がこわばったように見えました。極端な推量かもしれないが「この無知なエセ文明人」と思っているようにさえみえました。
とにかく主催者さん、あのてのブラボーをなくすようになんとか工夫してください・・・できないかなあ、やっぱり、とするともうコンサートなどいかないほうがいいことになる。BMWも結局損になりますよ。
投稿情報: 下中野大人 | 2010/04/03 00:36
下中野大人さん!
はじめまして。
ホントにがっかりで、腹立たしいやら恥ずかしいやらでしたね。
ティーレマンさんの「がっかり」まで見えたら、なおのことですね。
アンコールも無かったし。
(あ、でも、あの大曲の後では、何をどう弾けばアンコールに応えることになるのか、よくわかりませんが。)
私も帰る道々、ずっと気分が悪かったです。
他のホールでは、前以て「牽制アナウンス」を流すところも出たようですが、
福岡はそういう意味でも未だ遅れているのかも、ですね。
投稿情報: Calvina | 2010/04/03 10:41