原題:Tanztraume - Jugendliche tanzen Kontakthof von Pina Bausch。
traumeはdream。 本当に本当に、夢のような作品。ドキュメンタリーだというのに。
ピナが生前に仕事している記録をまとめたものは、
これが最後とか。
しかも、 ダンスと縁の無かったティーンエイジャーたちが
たった10ヶ月の訓練の後、彼女の作品を踊るなんて!
その実際の訓練、生徒指導は、ピナの片腕の2名の女性が受け持ち、
要所でピナ本人もチェックをしています。
経験者にならわかる、指導の難しさ!(そして、喜び!)
その指導者の一人が「稽古中、決して完璧ではないのに、
理由もわからないままに涙が出ることが何度もあった。
彼らは深く理解しているのね」と言います。
そう。 作品を、ピナを、指導者たちを、大人を、そして人生を、
世の中そのものを、若い人はよく理解している、ということ。
若い人たちだけが持つまぶしさが、画面全体にふんだんに閉じ込められています。
また、これがダンスの力なのか、想像していた以上に心を開いて見せてくれます。
ピナがリハーサルを見守りながら、かすかに微笑むところが何度か映っていますが
「何もかもわかったよ、ありがとう」と演者たちに応えているようでした。
人は、他人の心の中に光るものを見つけた時、喜びを感じますよね。
この映像は、その瞬間を捕らえようとしているふうにも見えました。
カーテンコールの最後の最後まで、この‘夢’に浸りきり。
『PINA 3D』(ヴィム・ヴェンダース監督、2月25日公開)を
チェックした後で観たのは、たぶん正解だったと・・・
でも、どちらか一つを取れ、と、もし無理に尋ねられたなら、私は本作を推します。
traumeは、このケースに限っては、‘奇跡’と訳しても良いかもしれません。
※ 映画 『ピナ・バウシュ夢の教室』 詳細はこちら↓↓↓から
http://www.pina-yume.com/
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