「フェルメール 光の王国展 2」が9月5日(水)に始まりました。
私が観たのは、制作順に展示された「光の王国展 1」でしたが、
これから11月いっぱいまでは、所蔵美術館毎に鑑賞できるように
並べ替えられている、とのことです。
「1」を見逃した知人たちが早速チェック。
「フェルメール作品、というよりも、福岡先生の頭の中が覗きたくて行ったよ。
企画自体がおもしろかった。 人ごみに苦しめられることもないし」
私も、福岡先生の頭の中身には、おおいに関心があります。
お話しぶりや声も、最初に想像していたよりもソフトですしね。
本展を特別協賛しているANAの機内誌 『翼の王国』9月号にも
福岡さんがフェルメール最大の贋作事件を紹介している記事があり、
これまた非常に興味深いエピソードです。 作文力もさすが・・・
というより、「他の誰にも真似ができない作文」という価値の問題ですか。
(以下、「オランダ再訪・前編 美の陥穽(かんせい)」より一部抜書き)
「私たちはありのままの世界を見ているのではない。
見たいと思っているものを見ている。
つまり、眼がものを見ているのではなく、脳がそれを見ている。
(中略)
私たちは常に新発見を熱望する。
その心が私たち自身を自己欺瞞に対してもっとも脆弱なものにしている」
非常に精巧な複製画を並べた本展と、贋作問題との対比は
さらにフェルメールを、そして福岡さんを、新たな角度から
考えさせてくれます。
※ 贋作事件を引き起こした大作とは『エマオの食事』。
オランダの画家 ハン・ファン・メーヘレンの作。 ボイマンス美術館蔵。
参考文献:『フェルメールになれなかった男 20世紀最大の贋作事件』
フランク・ウィン・著 武田ランダムハウスジャパン
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