Calvina's Corner

トーベ・ヤンソンの原画。 Tove Jansson

 「画家として成功する」という大志を貫いた人生。
 「ムーミン可愛や」を全面に打ち出した展覧会では
 ないので、お子さんを連れていくと退屈してしまう
 かもしれないなあ、と思いました。

けれども、お子さんたちの心の奥に「観た」という記憶が
潜り込んで、ずっと先になってからその本当の影響が
じわりと浮き上がってくるよね、きっと、という展覧会。

幼少期に描いたもの、ムーミンの下絵と完成画との対比、
第二次世界大戦時に描かれた雑誌の表紙絵に見られる
断固とした戦争反対の姿勢と覚悟、晩年の傑作とされる
自画像（油絵）等など、どの作品にもパワーが満ちて
私たちを鼓舞しているように思えました。

そういえば、ムーミンの原画のラインは、柔らかいようでいて
実はとても緻密で力強いものだということに改めて気づいた次第。

※ 『生誕100周年記念 トーベ・ヤンソン展』は、
　横浜、北海道、新潟を回って、現在北九州市立美術館分館にて
　開催中。 今夏の大阪開催で終了。 詳細はこちら↓↓↓から。
　http://www.asahi.com/event/tove100/

ストレート・フラッシュみたい。 Straight flush

私の正面の８人掛けの電車の椅子にぎっちり座った人たちが
全員読書をしている、というのに気づいて、失礼だとわかって
いながら、なんだかうれしくなって何度も見入ってしまいました。
ストレート・フラッシュみたいで、しかも８人です！

高校生のお兄ちゃんは数学の問題集、サラリーマンのおじさんは
仕事の資料、他は文庫本２名、単行本２名、雑誌１名、新聞１名。

「スマートフォンを覗きこんでいる人ばかり８名並び」のほうが
遭遇（成立）する確率は高いのかもしれないなあ、と思ったのでした。

同じ服・・・。 Same clothes...

先日から、蒸し暑い時期にも仕事に使えそうな
セットアップ（ブラウス・スーツ）の候補を見つけて、
頭の中で「本当にこれを買うか買わないか」と何度も考えていました。

概して、フォーマルに近くなるほど、暑さ対策や手洗いができるかどうか
などというケアの問題と折り合いがつかなくなることも多いですね。
真夏に着る喪服なんて、これからの時代、もっと大変になると思います。

まったくの偶然に、街中で車の窓越しに、その服を着て
強い日差しの中、横断歩道を渡っている若い人を見かけました。
「・・・あれ、なんだか思っていたのと違う・・・」とテンションが
一気に下がりました。 理由は何だったのか、自分でもよくわかりません。
素敵な女性だったのに。
思っていたよりゆったりしたフォルムの服だったからかしらね・・・。
この人は「近くに寄った時に洒落て見えるもの」というのを、
選択理由の上位にしていたのかもしれません。
遠目からはその良さがはっきり捉えられないこともあります。

既成服ですから、同じ服、同じメーカー、同じ店の利用者は
大勢いるわけで、鉢合わせしてもおかしくないはずなのですが
どこかで「これは自分だけの、自分のための最良のものだ」と
その品を選び取った自分を、誰よりも大切にしたいという気持ちが
消費する側にはあります。 「限定商品」に皆が引き寄せられるのも
同じような理由からだと思います。

ごくごくたまに、「素敵な●●ですね、これ、どこで買えるんですか？」
と、尋ねたくなるほど素敵なものを身につけておられる人もいますが
この頃はそういう例に遭遇することも少なくなっている気がします。
私のアンテナの感度が落っこちているのかも・・・。

麻のシャツかブラウスをペラッと一枚ひっかけて、自分らしく
真夏を乗り切れたら最高なのに、と心の内でぼやきながら、
（未だ５月だというのに）真夏日の街を今日も歩いてきました。
さすがにジャケットはずっと手に抱えたままでした。

お顔に黒い消印・・・。 Black stamp on a face

　これはデンマークの切手、女王陛下のお顔
　ですが、そのせっかくのお顔の上に
　ガッチリと黒インクの消印が・・・。
　切手はどこの国でもたいていは小ぶりなので
　消印がかかるとどうしても絵がつぶれて残念。

特に、人物の顔のアップ（写真も絵画も両方）や仏像などは、
「わー、可哀想なことになってる・・・」と思うことが多いです。
特に、`雅やかなお顔に直撃’だとショックに近いものがあります。

手紙離れが進んでいるので、こんなことを改善しようとする人も
おそらく無いのでしょうね。 んー。

紫色のそら豆。 Purple broad beans

　紫色の豆といえば、えんどう豆なら
　まあ見慣れてきていましたが・・・
　これは「大ぶりの小豆？」と思ったら
　なんとそら豆だそうで。
　これ、醤油の色じゃなくて茹でただけ。

そら豆にしては（今回私の手元に来たものは）とっても小ぶり。
一つずつ剥くのに時間がかかって寄り目になりそうです・・・
剥くと普通のそら豆独特の緑色がポロリと顔を出して楽しさいっぱい。

大きな岩・・・。 Hope

数年前から、見えない大きな岩から自分の前を塞がれている
ような閉塞感をずっと感じてきました。
その大きな岩をどう打破するのか、あれこれ動き始めてから
もう随分と長い時間が流れています。

あれこれ動くのにもエネルギーが要るわけで、
そのエネルギーの中でも、特に`気持ち’がついていかない、
端的に言えば、希望が見えなくなる時もありました。

途中で大震災が起こったことも、（言い訳にはできませんが）
様々な影を（私だけにではなく）社会全体に落としていると
思います。

「何かをこうしたい、こう変えたい」と願い、もがき続けるのが
人生そのものだ、と開き直ることもできましょうが・・・
やっぱりつらいものはつらいっ！  大きな岩よ、転がり去れっ！

先週、友人の一人が、精魂込めた本が完成したから、と
届けてくれました。 内容そのものもさることながら、
その人の人生が、その`形になったもの’を下支えしている
のだな、と良い意味でたくさんの刺激を受けたのでした。
本という表現形式、やはり好きで仕方ありません。

 　この一コマは、昨夏、８月１５日に
　偶然にウェブ上で見つけました。
　以来、大切にしているイメージの
　一つです。 １mmでも１cmでも前へ！
　チャーリー・ブラウンのように気負わず！

豆尽くし！ Beans, beans!

　これでもか、というくらい
　旬の豆を食べておりますぞ。
　それに加えて納豆も。
　茶碗の上で押しあい圧しあい。

『形の素』！ 3 creators' private collections

　塗りの赤木、陶芸の内田、鍛金の長谷川、三氏。
　それぞれが自分で気に入って手元に置いて
　その創作の素として大切にしているものから
　自分で選抜して全カラーで紹介しておられます。

　コンパクトな図録みたいな体裁で、
　各人の作文と併せると、「こんな思考の
　持ち主だったんですか」と新しい発見も。

例えば、赤木氏・・・ 形に意味付けする作業を欠かさない人のようです。
「ある椀の微妙なカーブに宗教的な意味を見る」というような。

発表するその創造物だけがすべてだ、と、一切コメントを出さない生き方も
あるとは思いますが、情報があふれかえっているのが普通の現代社会では
それはもはや難しくなっているのかな、むしろ、創作・想像活動以外に
雄弁さが周囲から求められることが多いのかな、とも考えるのです。
その点で評価されにくいクリエーターたちの行く末は如何に。
また、「大らかさ」「無邪気」「無心」というものの評価の行く末は如何に。

※ 『形の素』　赤木明登、内田鋼一、長谷川竹次郎・著
　美術出版社　2,500円+税　2014年12月初版
　ISBN978-4-568-14370-6

スウェーデンの絆創膏・・・。 Skalman on a medical tape

　絵本とアニメで長年愛されている『バムセ』の
　登場人物、スカルマン。 発明家。
　怪我はまったくたいしたことないのに、今日は
　どうしてもこれを貼ってみたかったんですよ。
　小さい子とおんなじ気持ちですな。 いつまでも。

日本の絆創膏は、機能の点で非常に優れているとは思う
（特に、通気性は「多湿の国」ならでは。）のですが
見た目の可愛さにふらふらと惹かれて、外国製のも
つい買ったり使ったりしてしまう私です。

ブラジルの絵本作家、メロさん。 Roger Mello

　昨年の国際アンデルセン賞（デンマーク）受賞者、
　ホジェル・メロさんの絵本原画展を観ました。
　開催期間が終了する寸前に滑り込みで。
　豊かな色彩感覚と緻密な画風で、自国の伝説、
　歴史、風習、生活などを優しく伝えてくれる人。

日本で未だ一冊も翻訳絵本が出ていないのは残念です。
本当なら、ワールドカップサッカーの大会に合わせて　
もっと紹介されても良かったアーティストでしょうに・・・。

まだまだお若いので、世界を股にかけて活躍されるはず。
今後も楽しみなので、名前を憶えておかなくては。