秋口に出た文庫本。 何度も眺めてため息。
これは「もう一度、水丸さんの仕事を
堪能するための本」だと言っても過言では
ないでしょう。「週刊文春」連載の集約。
写真は豆腐炒めの粒が笑っているところ!
平松さんの切れ味は相変わらずだけれど、主役は水丸さん。
すべてモノクロの作品ですが、「あの」澄んだ色使いが
蘇ってくるようで、それが何度もこれまでに水丸さんの作品を
拝見していたからなのか、いや、初めてこれを見る人でも、もしかすると
「色が読み取れる」のかも、ということを考えてしまいます。
「柔らかさ」という言葉より、何かもっとふさわしい言葉があるのでは、
と、考えていたら、「おかしみ」というのを思いつきました。
それも、「ほんのちょっぴりのおかしみ」。
もっとマシなことを思いつくかもしれません。時間をかけて考えましょ。
※ 『ひさしぶりの海苔弁』 平松洋子・著 安西水丸・画
文春文庫 2016年10月初版 690円+税
ISBN978-4-16-790703-7
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