あつらえた服を着る生活をしていない以上、自分の持っている服と
まったく同じものを着ている人を見かけたり、鉢合わせしたりする
ことは、まあ当たり前でもあります。
皆さん、一つや二つは、‘エピソード’をお持ちなのでは。
先日、昼食を急いでとるために入った店で、(混雑時なので)
「相席をお願いします」と言われ、ついたテーブルで
真向いに座った女性の着ておられた薄茶色のブラウスが・・・
一目見て「どこかで見たことがあるな。でも、どこだろう。
ネットの画像かな。涼しそうで楽そうな襟開きの具合や、
薄手木綿のサラッとした感じが、この人にとても似合ってるし、
今日のジメジメした暑さにも良いな」と思ったのですが・・・
その女性のほうが先に食べ始めて、先に席を立たれた瞬間に、
「あっ!私の持ってる白いブラウスの色違い、サイズ違いだ!」と
気がついたのでした。 お互いに何年も愛用していることになります。
ブラウスの裾だけにカットワークが入っているデザインなので、
その女性がテーブル席に座っている時には、装飾が全く無いように
見えたのです。大柄で、明るい茶色のボブカットに薄茶色はピッタリ。
自分が自分の持ち物に持っている印象は、(自分自身の自分についての
把握が偏ったものであるのと同じように)あいまいなものですね。
横や後ろからはどう見えるか、何度も洗濯した後にどのように
風合いが変化するのか、といったことも、購入時には(少なくとも私は)
気合を入れて考えないことが多いくらいですから、「テーブルについたら
装飾無しに見える」ということまでは、まるで考えが及んでいませんでした。
手持ちのを着て真正面で鉢合わせしていたら、ちょっと気まずかったかなぁ。
それとも「ああ、あなたも気にいって愛用されてます?」と
話が弾んだでしょうか・・・。
私の(白色の)については、もう少し着古して染みでも目立ってきたら、
メーカーが生産しなかった私だけの色に染め直してみようかな、
それも楽しみだな、とも思ったのでした。
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