今年は、年初にどうにもついていないことが起こり、
前半はずっとその影響に翻弄された生活を送りました。
やっと「いよいよ底を打ったか」と思えるようになって
きたので、耐えた自分に何かご褒美を、ということで
落語を聞きに行き、心と脳みそのマッサージをしてきました。
当日の演目の中に、名作『藪入り』が。
でもねぇ、噺家は「最近ウケナイのですよ、この話は。
奉公だって知らない人が増えてるし、藪入りもまったく
ピンとこないんですね。上演回数も減ってます」と。
噺家は、その時代背景、人々の暮らしぶりをていねいに
説明したうえでないと、本題に入れないのでした。
登場人物の親心にジンとくる、ホロリとさせられる、
なんてことまで消滅しつつあるのかしら。 この国では。
いただいたプログラムに、奉公に出た少年たちの話が
少し書かれていて(書いた人は、京須偕充氏)、
その中に次のような物価の解説が。
「百年前、大正初期、(途中省略)、二銭で
アンパン一個が買えました。十円あれば五百個
買えたわけです。」 握りしめたお小遣いで、
ちょっとだけおいしいものを、という気持ちは
いつの世も変わらないのかもしれません。
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