「ハレとケ」を、銀座の真ん中の
ピッカピカのギャラリーの中で考える、という
興味深い試み。 佐藤卓さんのディレクション。
アイディアと人選、限られた空間の使い方が
絶妙です。 題して『「ケの美」展』。
14名(詳細は公式HP参照)の参加作家たちは、それぞれ
「ハレとケ」をどう考えるか、というコメントを寄せ、
一つだけ自分の日常で「ケ」として愛用してきたものの実物を
展示のために提供しています。
その他、「ケ」と思われるものを写真で複数紹介する、というもの。
土井善晴さんと皆川明さんの朝ごはんの様子を見せてもらうと、
お二人ともシンプルな竹の箸を使っておられるのが目につきました。
とりわけ、皆川さんのは、ちょうど先日から、買ってみようと考えていた、
マダラのある竹の箸だったので、なおのこと気になったのでした。
お碗に入ったヒビもカケも、自然で愛おしいものだと教えられます。
お気に入りのお椀にハズミでヒビを入れて、ガッカリしている自分を反省。
自分の心身だって、年齢を重ねるにつれてあちこちに傷みが出ているわけで
私は究極のケというのは自分自身なのではないかなあ、と思いました。
この他、最近はあまりフォローしていなかった石村由紀子さんが
シンプルなガラスの器(ちょうどシャーレがでっかくなったようなもの)に
枯れたイチジクの葉をこんもり入れて出展されていたのも印象的でした。
実家の庭先にも子供の頃からずーっと生えているイチジク。
このように枯れた葉をまとめて、香りを嗅いだのは初めてで、
その‘香気’(あえてそう呼びます)に気づかなかった自分にビックリ。
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