電車を乗り継いで約3時間かかる町で
知人が写真展を開催する、というので
「んー。普通なら、一泊必須だよなぁ」と
考えるところ、今回は思い切って
久しぶりのワンデートリップを敢行。
とんでもない早起き、久しぶり。
というか、そもそも寝過ごしを心配して、
その緊張から出発前は超級短時間睡眠でした。
朝の5時に家を出て、真夜中に戻る、という旅は
仕事以外では、ここ何年もやっていなかったので
体力・気力にも自信がなかったのです。
が、やっぱり楽しく過ごせたのでした。
まずは、インスタグラムに夢中な観光客がほとんど入らない
地元の地味な喫茶店でゆっくりカフェオレとロールケーキを
いただいた後、いくつか好きなお店を覗きがてら、
(帰りの列車の中でいただく)夕食用の小さな巻き寿司を
買ってから、展覧会会場へ。
時間をかけて協力者を募り、実現させたという
その披露の場は、久しぶりに恵みの雨を迎えて光る
青もみじと苔に守られたお寺なのでした。
お寺の春季特別公開に合わせて、いくつかの部屋に
各部屋で以前に作者が撮影させていただいたという写真を
元に制作した小型屏風作品がディスプレイされていました。
公開時間が16時までになっていることもあって、基本は
自然光で暮らしていた往時の人々のことをあれこれ想いながら
作品鑑賞も自然の暗がりまで大切にするなかで行います。
「何故、ここにこんなものが飾ってあるの?」とつぶやく観光客や
特別公開の幸運さえ知らないまま訪れた外国からの旅行者などなど
様々なタイプのお客様が入り乱れて、不思議な雰囲気に包まれた
展覧会になっていたと思います。
もう一件、別の古いお屋敷を改造した中で開催されていた展覧会を
見せていただいた後、駅ナカで慌ただしく地元の食品を調達してから
帰路につきました。
激しくなった雨がガラス窓をほとんど地面と水平に流れるのを
横目に確認しながら車中でお寿司をほおばり、「短い時間に
いくつも美しいものを見たなあ、これがいつもと違う心の栄養になって
私の中に残り、発酵してゆくのかなあ」と余韻まで楽しみました。
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