デンマーク人のデザート・シェフ、M. H. 氏。
彼の開催した、親子のための料理教室を
少しお手伝いしました。
ラズベリーを煮て濾したものと刻みチョコレートと合わせて
ガナッシュをつくり、それを絞り袋でチョコレート・シェルに詰め、
溶かしたダーク・チョコレート、さらにココア・パウダーでコーティングし、
トリュフを作りました。
H氏本人も、もうすぐ5歳になる女の子を筆頭に、
3人のお子さんを持つお父さんです。
「どのような材料が、どう合わさって、どんな料理ができ
その味をみたら、どんな気がするか、っていうことを
キッチンで小さい人たちと一緒に楽しむ余裕の無い大人が
どんどん増えてしまっているよね。
誰でも、住んでいる場所の近くで採れたものや、
知り合いや自分が作ってみたものは、
とってもおいしく感じるでしょう。
キッチンで楽しい時間を大人と過ごし、
どんなに小さい子であっても、自分という人格を、
きちんとそのクリエイティブな時間の中で
大人から尊重してもらえることが、大切。
そして必要なのだと思う。
‘子どもが主役でいられる楽しい時間’を
ぜひ作ってあげて欲しい。
料理でなくても、どんなジャンルでもいいから。
今日、何の作り方を習ったか、ということ以上に、
わかってもらいたいことがあるんだよ」と。
この37歳のハンサムなシェフに夢中で
子どものことを忘れるほど楽しんだお母さんもおられた中で
私にはこの彼の真摯なメッセージが、なおさら強く響きました。
・・・ハンサムってことのせいで、
その人の強いメッセージが伝わりにくいことや
切り捨てられることも、多々あるんだよなあ、とも
傍から見て思ったのでした。