閉じ込められたというニュースを聞いて
最初に思い出したのは、チリの落盤事故で
閉じ込められた作業員たちと、ジュール・
ヴェルヌの冒険小説『十五少年漂流記』でした。
レスキューが成功したチリの実例や、ヴェルヌの作品のように、
ハッピーエンドになることを何度も何度も願いながら、出先でも
続報をチェックしていました。
一人~少人数で閉じ込められていたら、おそらく助からなかった
のではないか、と素人の私は思います。
そうこうしているうちに、西日本では豪雨と猛暑が人々の暮らしを
押し流し、焼けつく暑さで更に傷めつけ、未だその被害の全貌が
見えないなか、私などは、どう心を寄せたら良いかもわからない状況です。
地球が人間に牙をむく時、それそのものの被害だけを考えるのではなく
最近は、たまたまそれを免れ、普通にのうのうと生活する者たちが
すぐ傍にいて、両者の間に様々な壁や差が生まれることの非情に
心がより痛むのではないか、と思うようになりました。
タイの13人の少年たちの中には、国籍が与えられていない人もいる、
と知りました。 これは、物語世界ではなく、未だ先に続く現実です。
※ 『十五少年漂流記』 ジュール・ヴェルヌ・著
椎名誠・渡辺葉・訳 新潮モダン・クラシックス
2015年8月初版 1,800円+税
ISBN978-4-10-591004-4