先月、ヴーヴ・クリコの世界巡回展覧会を観ました。
有名なこのシャンパンが「クリコ未亡人」という
意味だと知らなかった門外漢で下戸の私でしたが、
彼女が27歳で未亡人となり、嫁ぎ先のブドウ園
ビジネスを、女性として初めて率いたと学びました。
木製テーブルに穴を開けて、それに瓶を立てて
澱をよけたり、振動を加えたり、瓶を海に沈めて
寝かせたり、と、創意工夫力もハンパナイのです。
女性ばかりでしつらえられた展覧会は、現在活躍し
注目されているアーティストたちの寄せた作品群で
すっきりとお洒落に迎えてくれました。
日本からは、草間彌生と安野モヨコの両氏が。
ちょうど、最新刊が出たばかりの
『金と銀 あきない世傳 13』の主人公、
幸さんと重なるところがあるなあ、と
思いながら展覧会場を歩いていました。
幸さんは江戸が舞台のフィクションの中の主人公ですが、
やはり当時の女性としては大変珍しい、当主の立場で
呉服のビジネスを工夫しながら率いて発展させている最中。
クリコ未亡人と類似しているなあ、と思ったのでした。
モデルもいる、ということなので、日本でも昔から
「切り拓き、橋をかけるタイプ」の女性がおられたのだな、と
あらためて思います。